新規朗読作品「青の炎」

新規朗読作品「青の炎」


貴志裕介さんの「青の炎」を読み始めました


高校2年生の男の子が家族を護るために完全犯罪を計画する青春ミステリーです


母の元再婚相手が突如訪れたことから、母、自分、妹の一家団欒に大きな亀裂が入り、その"異物"を排除すべくトライアンドエラーを繰り返す櫛森秀一くんの物語


初めて読んだ時は多感な時期だったので、作中の描写のあちらこちらに当時の自分が影響を受けたものがあって、懐かしい気持ちになります


何を隠そう、ぼくの名前はこの主人公から拝借したものであり、非常に思い入れのある作品なのですが、ある時を境に"心の神棚"に置いて、手に取る機会がしばらく無かったので、改めて読むと新鮮に感じます


当時は秀一くんの試行錯誤をハラハラしながら上手くいくことを祈りつつ読み、彼の意志の強さに憧れの様な気持ちを抱いていましたが、今読むと秀一くんに不憫というか彼の境遇に対する居た堪れなさを感じる部分がありますね......

彼が殺意を向ける相手は本当に碌でもない人物ではあるのですが、一人の人間を殺そうと決意するまでに至った17歳の秀一くんの心に掛かった負担を思うと辛い



ここまでお読み頂いた方の中には「おいおいネタバレが過ぎるんじゃないかこのウスラトンカチ」と思った、うちは一族の末裔の方もいらっしゃるのではないかと思うのですが、ご安心ください


上記の流れは裏表紙のあらすじにも書かれている範疇なので


この物語はそこから始まるのです


今思うと後半は「ぼくのメジャースプーン」を読んだあとだとなかなかに示唆的かもしれないですね


ミステリーなのでトリックの説明や過程についての描写が多分にあり、朗読すると長くなってしまいそうではありますが、好きな作品なので、夜な夜な読んで参ります



皆様のご都合宜しい時に一瞬でも御耳傾けて頂けたなら幸いです

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