「きみと夏とぼくとあいつ」

「きみと夏とぼくとあいつ」




新しい色を選んだ
テーブルクロスの端っこ
素っ気ない素振りばかり

夏になれば見逃しそうで
いつも不貞腐れた顔をした

普通じゃない出来事を
きみは呼び込んで来るから




きみの太ももに触れた
あいつはほんとに許せないと
だけど触れたその瞬間を
きみは無かったことにした




僕は振り払えない きみもあいつも




さっきまで暑かったこの長袖が
意外とお似合いだねってわらう

同じ季節に生きて
笑い合えるところも同じ

生まれ変わったらなんて
考えることもなかった




きみの太ももに触れた
あいつはほんとに許せないと
だけど触れたその瞬間を
きみは無かったことにした




咄嗟(とっさ)に反応したきみ
僕は何処に居ても
瞬きするたび目を覆う

きみが無理して笑って
僕を傷つけないよう
あの夏の思い出は
僕をただ 狂わせる




きみの太ももに触れた
あいつはほんとに許せないと
だけど触れたその瞬間を
きみは無かったことにした




テーブルクロスのくすんだBLUE
僕は涼しげに新しい顔を

きみには、僕には…

すべては新しいかな




詞ではなく、詩です
erio-絵莉和の詩の朗読を聴いてその場で書いて読んでもらいました。深いようで深い詩です。

「きみと夏とぼくとあいつ」




writing by rumio

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